それでも冬の名残はまだあちこち、特に休日の朝に残っています。
遅い朝に二度三度と眠りを貪っていると、おもてを灯油販売の車が売り声かわりの「ペチカ」を流しつつ登場します。
布団の中で「ああ安田姉妹が来たな。」と思います。実際安田姉妹かはわからないけど、女性の歌入りの「ペチカ」が「ポンポンポンポンポンポン♪」とイントロから歌いながら住宅地を入ってきます。
ペチカ
作詞 北原白秋 作曲 山田耕筰
雪のふる夜はたのしいペチカ
ペチカ燃えろよ。お話しましょ
むかしむかしよ
燃えろよ、ペチカ
雪のふる夜はたのしいペチカ
ペチカ燃えろよ。おもては寒い
栗や栗やと
呼びます ペチカ
雪のふる夜はたのしいペチカ
ペチカ燃えろよ じき春来ます
いまに楊も
萌えましょ ペチカ
(5番まであるようです)
しつこく暖かい布団でまどろみながら、ペチカのそばで優しいお母様のお話を幼い弟と聞いてる所を想像します。
弟の小さなふっくらしたほっぺがあたたまって赤くなるのをからかったりして。
実際はお母ちゃんは話し下手だしペチカも知らないし弟もいませんが。
3番の「楊」は枝のたれてないネコヤナギのようなやなぎをさすそうです。長く垂れたのは「柳」。
家の周りを回りきった安田姉妹が去っていってしまうと、いよいよ観念して起き上がり 時計を見て反省し、エアコンをつけます。
ネコヤナギもすっり芽吹いて梅の時期もすぎ、ただいま桜が準備中。優しく起床を促してくれる安田姉妹とも暫くお別れです。